備忘録あるいは人生録

振り返りと反省

節目と走馬灯

人生の節目となりそうな出来事の時、人は感傷的な気持ちになる。

約一年間働いたソフトウェアエンジニアインターンを終えた。ソフトウェアエンジニアとしては今までもアルバイトとして他社で何年も働いてきたが、今回はしっかりした大きな企業での大きなプロジェクトということで、やはり自由気ままに開発すれば良いというわけにはいかなかった。

ある程度の期限を設けて、そこまでに機能や見た目を完成させる。大きなシステムほど予め必要な工程を逆算して複数の開発者で手分けして開発する。これらは実際には大変難しいことだと身をもって体感した。まず逆算するのに大変な知識と経験、論理的思考力が必要である。また一つ一つの工数がなかなか見積もれない。気の向くままに実装しながら修正していくような開発とは難易度が桁違いだった。

このように大変なことも多くあったが、それでも振り返るとたくさんの社員の方々や他のインターンの人にお世話になった。最後に感謝の寄せ書きをいただいたとき、今までの自分の費やした時間が昇華されたような気持ちになった。今はとても感傷的な気持ちだ。

最近感傷的な気持ちになることが多い。あともう半年で大学院を卒業するので、このメンツで会えるのもあともう少しか〜とか、この場所に通うのもあと半年か〜など寂しい気持ちになってしまう。やはりインターン然り卒業然り、区切りや節目となるようなライフイベントではとてもエモい気持ちになるものだ。

ふと思った。死ぬという人生最後にして人生最大の節目となるライフイベントではどれだけエモい気持ちになるのだろうか。う〜ん、想像を絶する。走馬灯の瞬間は相当エモい気持ちになるのだろうか。残念ながら死人のみぞ知る。

ところで、走馬灯とは江戸中期に登場した夏の夜の娯楽で、俳諧では夏の季語となっているらしい。そして偶然にもこの記事を書いているのは八月末で、ちょうど夏の終わりに差し掛かったあたりである。気付けばもうそろそろ、学生最後の夏も終わってしまうなぁ。

走馬灯を楽しむ江戸時代の人々の様子